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<< これまでのお話
※この記事には、実話をそのまま書いているので
※かなりグロい表現が含まれています。
※かなり覚悟してお読みください。
もう、だめだ。
殺される・・・
と思い、恐怖で立っていられなくなり
そのまま、その場へ座りこんで目を閉じてしまった。
・・・が、犬が襲ってくる気配がない。
再び、目をあけて前をみると
そこには、あの犬が座っていた。
しかもしっぽを振って・・・
だが、風貌はすざまじいものになっていた。
首には、ワイヤーの輪がめりこみ、傷だらけになり、
そして、傷口が腐りはじめている。
だが、これでも正面からみた風貌は、まだマシなほうだった。
おそるおそる手をのばし、頭に触ると
犬は体を横にし、私に甘えてきた。
そして、私はハッとし、息をのんだ。
その横っぱらには、弾丸が何発もうたれており、
大きな穴があいていた。
肉と骨が露出し、傷口のまわりには、大量のうじがわき、
腐臭をはなっていた。
おそらく保健所がつかまえて、銃で撃ち殺して処分する
つもりだったのであろう。
だが、彼はワイヤーを噛み切って、逃げ出してきたのだ。
そして、たった一度だけ、空腹だった彼に
食べ物をあげた私の家を覚えていて
私が出てくるのをずっと待っていたのだ。
それに気づいた私は、大泣きしながら、
いっくんの家にむかって走り出した。
犬も必死であとをついてくる。
周りからみたら、私をねらって犬が追いかけているように
みえたであろう。
しかも、もの凄い風貌の犬が・・・
いっくんの家にたどりついて、いっくんを呼んだ。
いっくんが顔をだし、犬にきづき、
事態をのみこみ、
犬を急いで私たちの隠れ家としている空き地へ連れていった。
たくさん積まれているパイプの隙間に犬を連れていき、
毛布をもってきて、覆いかぶせて隠した。
おそらく道路には、警察も大勢かけつけていたのではないだろうか。
街は大騒ぎになっていた。
次の日から、私たちは交代で餌を運んだ。
死ぬとわかっていても、餌を運び続けた。
犬は、状況をわかっているのか、
傷口の悪化からなのか、
その場所から逃げ出すことはなかった。
そして、わたしといっくんは、
毎日、近所の教会にいき、
「どうか、犬を助けてあげてください」
と泣きながら、キリスト様に懇願した。
特に信者だったわけではない。
ただ、子どもなりにできることが、それしかなかったのだ。
数日がすぎ、とうとう犬は餌をたべなくなった。
だが、私たちがいくと嬉しそうにしっぽを振ってこたえた。
そして、ある日、犬は空き地から消えていた。
私たちはしばらく、言葉を失っていたが、
いっくんが不意に
「俺、あいつどこにいるか知ってるよ」
「え?どこにいったの?」
「あいつは、傷がなおって幸せになって、暮らしているんだよ」
「・・・。私も知ってるよ。あの犬が元気なの夢でみたもん」
「むっ。ちがうよ、あの犬はスーパーマンになったんだよ」
「むっ。何いってるの?あの犬はお金持ちに飼われていったんだよ」
「むむっ。ちがうってば!だって、あの犬、実は僕が飼ってるんだもん」
「むむっ。うそばっかり!じゃあ、見せてみなさいよ!うそつき!」
「なんだと!このアマ!」
「なによ!このハゲ!」
こうやって、ちびっこ2人の短い友情は終わりをむかえ、
またケンカ三昧な日々にもどったわけなのだが、
この出来事は、何十年もたった今でも昨日のことのように
鮮明に覚えている。
そして、私たちは今でも、あの犬が幸せな最期をむかえられたと
心から信じている。
>>あとがき 泣きシリーズ〜小さな友情 3部〜
お笑い部門に再挑戦中!
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